イチケイのカラス 第4話
感想: ★★★★☆ / ★★★★★
<あらすじ>
みちお(竹野内豊)は、坂間(黒木華)を訪ねて裁判官官舎にやってきた彼女の妹・絵真(馬場ふみか)と出会う。絵真から、姉はどんな裁判官なのかと尋ねられたみちおは、裁判を傍聴してみてはどうかと言い出す。
その後絵真は、みちおと一緒に、坂間が裁判官を務めたいくつかの公判を傍聴することに。そんな中、イチケイの部長・駒沢義男(小日向文世)は、家庭裁判所から逆送されてきたある少年事件を合議制で扱いたい、とみちおたちに告げる。被告人は17歳の望月博人(田中偉登)。半年前に高校を中退した博人は、レジャー施設でアルバイトスタッフとして働いていたが、あるとき売上金5000万円を盗んで逃亡。警察に逮捕されそうになった際には、繁華街のビルの非常階段から盗んだ現金をばらまいていた。みちおは裁判長は坂間がいいのではないかと提案し、坂間も決意を表明する。
そして始まった第1回公判。博人は完全黙秘を貫き……。
〜人にしか裁けない裁判がある!〜
「法律なんてクソだ!」
始まった第1回の公判で博人はそう発言する。
この案件の裁判長になった千鶴は、博人の意図が分からず戸惑うだけであったが、
自分の判決により博人の人生を変えてしまうと考えた千鶴は、決断を下せずにいた。
「裁判官が主体となって改めて捜査するっていうのはどうかな?」
とみちおは提案する。
難色を示す千鶴であったが、結局駒沢部長にも促され、
「職権を発動します!」
と。
博人は養護施設で過ごしていた。
同じ時期に施設に入った陸と未希と3人で兄妹のように過ごしていたと。
だけど1年前、未希と博人は今回博人がお金を奪ったドリームランドで事故に巻き込まれていたことが分かる。そして、未希はその事故で手を負傷し、ピアニストとしての夢を絶たれてしまっていた。
お金が1番大事と話す敏腕弁護士により、未希らはその事件を公にはされず大した保証もされないままだったことを知った千鶴は怒りを覚える。
「博人くんは、自分の人生を投げうっててでも隠したい何かがあるのかもしれないね」
と話すみちお。
博人には事件も当日、お金を強奪してからばら撒くまでに3時間の空白時間があった。
その3時間の足取りを追うために片っ端から捜査するみちおや千鶴たち。
そうすると、博人はお金を強奪したあと、ばら撒いた場所から反対の方向に向かい陸と会っていたのであった。
博人は、未希の手の手術に必要な分を予め抜き取りそれを陸に渡して、残りは抜き取った金額が分からないようにばら撒いたのであった。
「博人くんと仲違いしたフリをするのはしんどかったですね。」
と陸に話すみちお。陸も博人の計画を知っていたと事実を認める。
次の公判で陸と未希が事実関係を認めたことを知った博人は千鶴に怒りをぶつける。
「あなたの怒りや憤り、全てを受け止めます。
私を許さなくてもいいです。だけど、人生どんなに努力しても思い通りにならないことだってあります。だからどんなことがあっても罪は犯してはいけなかった。あなたが前を向いて、いつかこのことを乗り越えて生きていける日を願っています。」
と。
しかし、千鶴も千鶴で下した判決により結局は3人を不幸にしてしまったのではないかと苦しんでいた。
そんな千鶴にみちおは、
「こんなにも自分ために苦しんでくれた人がいるっていうのはすごく幸せなことだと思うよ。
これは坂間さんにしかできない裁判だったよ。」
と千鶴を励ます。その励ましに思わず涙を流す千鶴。
一方で、千鶴の妹・絵真も千鶴を心配していた。
そのことを駒沢部長に話す絵真。
「入間くんはね、坂間さんにイチケイのカラスになってほしいと思ってるんだよ。
カラスはね、神や英雄のような存在ではない。
だけど、個性的で自由の象徴なんだ。
入間くんは坂間さんにはそうなってほしいと思ってるんだと思うよ。」
と話す。
fin.
最近は、どんでん返しのようなスリルある感じの解決方向ではなく、
ことの真理を真っ直ぐ突いてきてるような感じになっている気がするのですが…(要するに犯人がすぐ分かるということですw)
いつも序盤ででてくる、みちおが甥っ子に聞かれることが、
毎ストーリーの裏テーマになってくるわけで。
今回は、「AIで人が裁けるのか」。
AIで裁けるようになれば、案件はこなせるし楽だと最初は話す千鶴だったけど、
今回、裁判長をやって人にしか裁けない裁判があると気づくんですね。
みちおが被疑者に関わらず事件に関与する人々に寄り添おうとする姿勢に徐々に感化されていく千鶴。
法壇から降りて博人を諭したり、
真実を知ることでまた苦しめてしまう判決に涙してしまったり、
機械的ではない人間味のある千鶴になってきた気がする!
だけど今回の事件は切なかったな・・・。
施設育ちだと簡単にお金の工面を頼める環境ではないだろうし、
最先端医療の治療に使える資金を稼ぐのに働くっていっても、
桁が違うだろうから、
”罪を犯してはいけなかった”
というのは少し綺麗事のように感じてしまったかな。
未希の夢を叶えてあげたいというのが博人の夢だったからこそ、
犯してしまった罪だったろうし。
誰も幸せにならない判決は余計に切なかった。
千鶴もそこに苦しめられたということだね。
そんな千鶴に、カラスのような自由の象徴になってほしいと願いを込めていたみちお。
駒沢部長の言う通り、2人が一体どんな化学反応を起こすのか楽しみです!
ランキングに参加してます!
良ければポチッとしてくださると嬉しいです^^↓
0コメント